【第2回】農業大賞(2005年)
※社名、肩書き、名称、年齢、文中の数字などはすべて受賞当時のものです。
農業大賞 北海道知事賞
(有)和田農園(帯広市)
約100ヘクタールもの広大な畑で、ゴボウを中心にこだわりの野菜を栽培。「健康でおいしい野菜づくり」をポリシーとして、農薬・化学肥料削減だけでなく土作りにこだわり硝酸態窒素削減・糖度の高い作物づくりに取り組む。地元十勝の小・中学生などのゴボウ掘り体験を受け入れるなど、交流もしており、「保育園の高学年から小学校低学年(味覚が侵されていない小さな子どもたち)がまた食べたいと言ってくれる」野菜を作るのが夢。法人経営で、野菜づくりの技術に長けた社員8人、除草・選果作業に携わるパート13人など、地元の雇用にも貢献している。
(写真:代表の和田政司さん)
農業大賞 コープさっぽろ会長賞
小路 健男 氏(追分町)
15年前に新規就農。夫婦2人で、ゴボウ、ニンニク、ナガイモ、ニンジン、ヤーコンなどの野菜を有機栽培、米はアイガモ農法で栽培。平飼いの鶏600羽を、道内産の自家配合飼料で飼育し、採卵数も制限して良質の卵を生産。畑・田・養鶏で循環型農業を実践。また、有機栽培農家のつながりを強め有機農業を発展させるため、有機JAS認証制度スタートとともに有機農協を立ち上げ、今年度は代表理事組合長に。新規就農者に手助けができるようにと町議会議員として、新規就農者に門戸を開く整備や条例づくりにも精力を注ぐ。
特別賞
片岡 弘正 氏(江別市)
春蒔き小麦・ハルユタカ栽培の第一人者。ハルユタカ栽培は何度も失敗を重ねた末、初冬蒔きに挑戦し成功。今では高品質の麦を安定生産している。江別麦の会などで、ハルユタカによる江別のまち起こしにも積極的に取り組み、「コシヒカリの魚沼、ハルユタカの江別」と認知してもらえるよう、さらにハルユタカ栽培の技術向上を目指している。また、この技術を江別だけでなく全道に広げようと考えており、各地からの視察も受け入れている。
ついき農園(七飯町)
父親と奥さんの3人、従業員3人の6人で、有機農業で野菜20〜25種類と米を栽培、米はアイガモ農法。あわせて5.2ヘクタールの畑や水田では、病気や虫への抵抗力をつけたほうが味も栄養もよくなると、土づくりで作物が健康になるよう努める。また、鶏300羽を平飼いし、卵を生産。飼料や衛生管理にも配慮している。鶏糞は畑作用の堆肥に利用するなど循環型の農業をすすめる。世界中からの研修生や消費者グループの農業体験を受け入れたり、地元の小学生にアイガモの飼育と稲作体験を行うなど、幅広く活動している。
(写真:代表 築城正行さん)
農業生産法人(有)西神楽夢民村(旭川市)
10年前、西神楽地域の農業者が集まり、「地域を元気にするには農業が元気でなくては」「夢を見て農業をしよう」と夢民村を結成し、イモ堀りやパラセーリングなど農村で消費者との交流活動を続けてきた。4年前に農業者11戸で農業生産法人を立ち上げ共同の田畑を所有し生産するとともに、「健康な作物は健康な土から」をモットーに育てた各生産者からの野菜や米も「夢民村」という統一ブランドでの販売を行う。現時点では個人経営を残しているが、将来は経営の一本化を目指している。
宮下牧場(遠軽町・旧 白滝村)
アンガス牛の肉牛生産を中心に、ジャージー牛での酪農もおこなう。フードマイレージ、食料自給率、持続可能な農業を、との考え方から地元産の飼料を中心に 100%国内産、非遺伝子組換え、ポストハーベストフリーのもののみ使用。また、世界的飢餓を懸念して、「人間の食べられないもの」だけを与える。平成 15年には全農の安心システムの認証、また昨年は全国初、生産情報公表JASの認定を取得。今年から牛糞を堆肥にし、畑作と放豚を複合したブロックローテーションを開始。こちらも化学肥料や農薬を使わずに栽培している。
(写真:宮下 盛次・月見 夫妻)
奨励賞
1.5(いちご)FARM(石狩市)
約30年前、厚田村の山間に入植し新規就農。最初は牧場経営をしていたが、牛肉自由化などの影響で畑作に転換。現在はジャガイモ、カボチャ、アスパラガス、ソバなど約14品目を家族で有機栽培している。パソコンソフト会社と共同で開発した「長さんの栽培日誌」で栽培履歴を記録、消費者への情報公開から農業や農村の活性化にもと考えている。また、そば道場やキャンプ場など農や自然を楽しむ場を提供し、自身も農的生活を楽しむ。今後は農業研修生や新規就農者の手伝いができるNPO法人設立や、農産物の加工品販売も考えている。
(写真:代表の長 良幸さん)
砥山ふれあい果樹園(札幌市)
8年前に本州からUターンし父親と奥さんと3人で、サクランボ、リンゴ、ブドウ、梅、イチゴ、ブルーベリーなどを生産。農薬を削減し自家製の有機肥料を用いて栽培し、観光もぎ取りや直売を中心に加工品も販売している。生産者のグループ砥山農業クラブを結成し農業技術や経営の向上に努めたり、果樹を札幌市内のお菓子屋さんに使ってもらうイチゴクラスターを組織。また、地元以外の人もメンバーのボランティアグループ八剣山発見隊と協力して砥山地区のお祭りやイベントを開催して地域を活性化するなど、幅広く活動をしている。
(写真:代表の瀬戸 修一さん)
(有)中札内村レディースファーム(中札内村)
約14年前に新規就農。職員10名で、ホルスタイン約85頭を飼い、日本で唯一の無殺菌牛乳「想いやり牛乳」を生産・製造・販売。「牛にストレスを与えないよう、牛の立場に立って」を基本とし、牛の生活環境や搾乳方法、温度管理などにこだわり、飼育している。飼料は自家産の無農薬の牧草を使用、配合飼料は一切使わずトウモロコシなどは非遺伝子組換え・抗生物質不使用。とにかく牛の世話に力を注ぎ、「こういう牛乳もある」ということ、「こんなふうに一頭一頭育てても経済的になんとか成り立つ」ことをわかってもらえたらと、日々取り組む。
(写真:取締役社長の長谷川 竹彦さん)
(有)もち米の里ふうれん特産館(士別市・旧風連町)
風連のもちをブランド化した立役者、「もち米の里ふうれん特産館」。減反政策の時にもち米栽培に転換、冬期間の雇用対策問題などでもち加工を始めた。栽培品種は「はくちょうもち」と「風の子もち」。風連町の農家が栽培した「農薬節減米」を、切りもち・大福もちやコンビニエンスストアの巾着もちに使用している。また、こだわりの商品を提供するモスバーガーには、除草剤を1回散布するだけであと無農薬・有機質肥料50%で栽培したこだわりのもち米を使用している。農薬をさらに減らし、冷凍技術向上などでよりおいしいもちを全国各地に届けようと努めている。
(写真:代表の堀江 英一さん)
農業交流賞 交流の部 札幌市長賞
古屋農園(旭川市)
「食」や「農」について語り合う体験型の交流や修学旅行生の農業体験受け入れなど、「食農教育」を第一に考えて消費者交流に取り組んでいます。(写真:代表の古屋勝さん)
農業交流賞 交流の部 奨励賞
標津町4Hクラブ(標津町)
地元の小学校で酪農体験学習をしています。子どもたちに酪農の素晴らしさや大変さを伝えてきましたが、それと同時に、私たちも酪農家としての誇りや責任を再認識しました。
北海道帯広農業高等学校 食品科学科3年
十勝は良質な豆の大産地。餡の食文化を子どもたちに伝えるため、地元の幼稚園児と小豆の栽培・収穫や餡づくりに至る一連の流れを体験したり、子ども好みの餡製品の開発にも取り組みました。
有機農業とあなたを結ぶ「アンの会」(札幌市)
農業交流賞 作品の部 組合員賞
大きく育て!あいがも農法米(楢山舞花さん 函館市・11歳)
FMいるか主催の「わがまちスローフード体験会」に参加。七飯町のついき農園で、アイガモ農法の水田の雑草とりをしました。
稲はこうやってしばってね!!(白峰盛富さん 沼田町・45歳)
’05年9月、JA北いぶき妹背牛支所のふれあい農園でコープさっぽろの「お米探検隊」稲刈りツアーが行われました。昔ながらのワラによる手縛りを習っている真剣な姿を撮影したものです。
馬と創る笑顔(柵木景子さん 静内町・17歳)
実家は道東で酪農を営んでいますが、両親に止められながらも遠く離れた静内町の農業高校に入学しました。大好きな馬の勉強をする中で、障害者乗馬という素晴らしい活動を知りました。
農業交流賞 作品の部 奨励賞
こんなにたくさんほれたよ!(野下也実さん 弟子屈町・9歳)
小学校の総合学習の時間に、農園活動をしています。イモ堀りをした喜びを表現しました。
牛さん食べてね(宍戸美由紀さん 湧別町・31歳)
息子の創吾(3歳)は、近くで酪農を営んでいるじいちゃん、ばあちゃんのお手伝いをするのが大好きです。
笑顔のファーマー (嶋田まゆみさん 札幌市・44歳)
エダマメの収穫中、小学6年生の息子が最近ごぶさたのすてきな笑顔を見せてくれました。
約束(岩井美智子さん 札幌市・44歳)
今まで父が手入れをしてきた我が家の家庭菜園。父が体調を崩したため、私が耕すことに…。苦労したからこそ、収穫の喜び、とりたての味のうまさに大満足!
農業体験を終えて得たもの…(庄中早希さん 札幌市・13歳)
中学校の宿泊学習で田植えを初体験。農作物をつくる大変さ、農家の方々が気持ちを込めて育てていることを知りました。