理事長からのご挨拶
次の50年の「安心」と「革新」を築く 〜北海道に広がる課題に協働で取組む〜
くらしの安全・安心のため 社会に働きかける
コープさっぽろは1965年に創立(当時は札幌市民生協)し、当時横行していた市価よりも高い「北海道価格」の是正を目指し活動を始めました。1970年代には石油価格の高騰から生活を守るため、灯油価格の引き下げ交渉の中心的存在となっています。生協は組合員と共に食を中心としたくらしの問題を解決して安全・安心を守る組織であり、その成り立ちそのものが革新的だったといえます。
近年、食一つをとっても偽装、異物混入、廃棄品の流通など、私たちのくらしはさまざまな問題に取り巻かれています。その多くは過度な経営効率の追求が進み、地域に暮らす住民一人ひとりにその経営プロセスが見えにくくなっていることが一因と考えます。
生協は、地域にくらす組合員が主人公です。組合員が経営プロセスに参画し、取引先や生協職員らと連携して事業をすすめています。この人と人とのつながりこそ、地域が抱える課題解決のキーとなるのです。
支えられた50年 次の50年を見据えて
コープさっぽろは昨年、創立50周年を迎えました。これからの半世紀を見据え、私たちは「つなぐ」を新たな経営の主テーマに設定いたしました。
1965年の創立以来50年で幾度かの経営危機を経て、組合員をはじめさまざまな方に支えられて現在があります。生産年齢人口の減少など北海道が抱える課題に対して、私たちは生協としての社会的使命を果たすべく、組合員の安全・安心を守り、過去の常識にとらわれず革新的な事業を展開し続けてまいります。
問題解決のためのプラットフォームを目指す
パブリックの領域からみると、地方行政は少子高齢化とそれに伴う医療福祉負担が重くなる一方です。これまでのように市町村単位で動いていては、地方自治体の財政が厳しくなるのではないでしょうか。
コープさっぽろは全道に宅配や物流拠点を有していますので、各市町村の枠を越えて北海道が抱える課題解決に向けて行政と連携して事業をすすめることが可能です。北海道にくらす人と人とを「つなぐ」プラットフォームを目指し、次の50年の「安心」と「革新」を築くために事業をすすめます。
(コープさっぽろCSRレポート 巻頭特集より引用・2016年)