2024.9.21
-Story02- いざ、コーンの産地・訓子府へ。「みずみずしくて、うますぎ!」
宅配トドック専用のプレミアムコーンスープの開発が決定してからはや4カ月。開発の進捗状況が気になって仕方がない佐野バイヤーのもとに北海道味の素の高橋さんから電話が入りました。
「佐野さん、9月○日は空いていますか?」。突然の呼び出し!?開発がゼロクリアになっちゃったとか…?「違いますよ。コーンの収穫が始まったそうです。産地へ見に行きませんか?」
「コーンの番人」コーンレンジャー、参上!
高橋さんに連れられ、佐野バイヤーが訪れたのは北見市のお隣、訓子府(くんねっぷ)町。畑作が盛んなこのまちの中心部に、味の素食品北海道の本社工場があります。工場の前では作業着姿の男性が二人を待ち構えていました。
「ようこそ、訓子府へ!コーンレンジャーの高原です」。思わぬ人物の登場に頭の中が「?」でいっぱいになる佐野バイヤー。
コーンレンジャーとは、毎日のように畑を回って契約農家とコミュニケーションを取りながら栽培管理を行う味の素食品北海道の技術職員さんのこと。道内では訓子府周辺や十勝、富良野でコーンを栽培していますが、総勢5人のコーンレンジャーが各地の畑に目を光らせています。
「私たちのミッションは安定した品質の原料を工場へ届けること。畑の作物は気候変化に左右されがちですが、種まきや施肥、除草のタイミングを見極め、道内に広がる産地から高品質のコーンを集荷できるよう努めています」と高原さんは力強く語ります。
スーパースイートコーンはメロンに匹敵する甘さ!?
訓子府では8月23日から今年の収穫がスタートしました。コーンはとにかく鮮度が命!収穫したそばから甘みが落ちていくので、収穫後すぐに訓子府工場に運び、24時間以内にコーンパウダーに加工します。
「栽培しているのはスーパースイートコーンという品種です。われわれ味の素が種苗会社さんとタッグを組み、カップスープに最適な『甘く』て、『風味』が良く、『黄色み』の強い品種を選抜しました。夏の終わりから秋にかけて甘みがのり、ピーク時にはメロンと同じぐらいの甘さになります。その瞬間を狙って収穫するんです」。
ただし、「一番おいしい期間」は1週間ほど。収穫が集中すれば工場の処理能力を超えてしまうため、収穫のタイミングをずらして工場に効率よく届くよう調整するのがコーンレンジャーの腕の見せどころです。しかも、台風が来てしまえば予定が大きく狂います。天気予報をにらみながら毎日ハラハラ。この時期は心が休まることがありません。
1本にうまみも思いもギュッと凝縮。
コーンレンジャー高原さんによれば、盆地特有の昼夜の寒暖差と、オホーツクエリアの晴天率の高さがおいしさの秘けつ。今季は例年よりやや雨が多かったものの、品質・収量ともに「すごくいいコーンができた」と胸を張ります。
5月の種まきから契約農家に伴走し、すべての収穫が終わるのは10月上旬。「春から見守ってきたスイートコーンを無事に取りきったときの達成感。プレッシャーからの解放感。その瞬間はやっぱり最高ですね」と高原さん。「でもすぐに翌年の計画が始まるんだけどね」と笑います。
高原さんのご厚意でもぎたてのコーンを味見させてもらいました。生のままかぶりついた佐野バイヤーから「うまッ!」と声が漏れます。「このみずみずしくて甘いコーンがカップスープになるなんて、本当に贅沢の極みですね」。
北海道の畑からご家庭の食卓へ。コーンパウダーには契約農家やコーンレンジャーの皆さんの熱意もしっかりと宿っていることを、佐野バイヤーは実感したのでした。