Vol 05. 食科学大学 ~Università degli Studi di Scienze Gastronomiche~
食科学大学 Università degli Studi di Scienze Gastronomiche
食科学大学とは?
イタリア語では、Università degli Studi di Scienze Gastronomiche。英語名称: The University of Gastronomic Sciences、略称: UNISG)は、イタリア共和国北西部のピエモンテ州ブラ市郊外、ポッレンツォ (Pollenzo) に所在する大学。スローフード協会のイニシアチヴのもとに開設された大学で、「スローフード大学」とも通称される。
歴史
食科学大学は「食科学」(ガストロノミック・サイエンス)を専門とする、世界で初めての大学である。スローフード協会の創設者であるカルロ・ペトリーニ(英語版)の考案とイタリアの2つの州、エミーリア・ロマーニャ州とピエモンテ州の協力により生まれた。
この大学のために委員会が2003年1月27日に設立され、食科学大学後援協会(Associazione Amici dell'Università di Scienze Gastronomiche)として2003年9月25日にMIUR(Ministero dell'Istruzione, Università e Ricerca:大学・科学技術研究省)より公式な認定を受ける。
2004年10月4日、2004/2005学年度として、コースが始まり、2005年4月15日、MIURより食科学学部・農業化学の学位課程を持つ私立大学として法律的に認定を受ける。2005年5月9日、官報において公布されている。
大学概要
コース数 | 学部生:1つ。マスター:2つ(フードビジネス、ワイン醸造など) |
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授業の言語 | 1年生:英語、2年生:英語・イタリア語 |
生徒数 | 1学年毎に、マスター:20~30人、学部:85名、総生徒数:500名程度。 |
学費 | 15,000€(200万程度)。イタリアでもすごく高い。2~3倍。その中に、学食(5€)、年5回の実地研修など含まれる。 |
奨学金制度 | ある。色々なバックグラウンドの生徒が世界からここに集まることに意味があるので(差別化要素)、奨学金をあげている。フライトチケットや月200€付与するなど。 |
大学施設 | もともとあったもの。貴族(カルロ・アルヴェルト)の別荘。これがスゴイ!かなり修復して、大学にした。ホテルもすべてそう。ホテルは大学とは別経営。4つ星。学会や研修があるとこの大学に宿泊する方が多い。我々が宿泊した時もFERREROというヘーゼルナッツのチョコレート(ヌテーラ)で世界的に有名な企業の研修があり、朝食も会場もかなり混んでいたい。 |
卒業生の進路 | 起業する人が多い。その他、マーケティング、プロモーター、記者、研究者、商品開発など食の色々な分野に就職している。 |
学食 | ただ食べるためではなく、「経験するための学食」というコンセプトで学食を実施。年20~30人程度、世界からトップシェフが来て1週間すべてそのシェフが作ったランチを食べられたりする。そしてそのシェフの講義や講演を聞けたりする。ランチの食材は全てローカルのもの(キロメートルゼロ)。前日までにオンラインで予約。できるだけロスをなくしている。1日に5種類程度。 |
大学の命題 | 教育による社会への貢献。職員数:50名程度。食、栄養学のみならず経済や哲学など、各専門分野の教師が常駐している。専任教授は、6名のみ。その他はすべて世界各国の専門家による授業。こうした方々は非常勤講師として授業などを行っている。今回コーディネートをお願いした斎藤由佳子氏も、非常勤講師の一人。日本の食、特に「発酵」について授業をされている。 |
生徒の出身地 | 60か国以上 |
日本の大学との連携 | 同志社大学、立命館大学とは協定結んでいる。立命館大学は2017年度(本年度)に「食科学部」を設立する。 |
コーディネート:GEN株式会社 齊藤由佳子
通訳:Pier Giorgio Girasole
2017年3月7日~9日 星野浩美