2025.4.1
-Story 03- ベジビールで 食卓に笑顔を。


クラフトビールの新商品開発は、コープさっぽろにとっても挑戦だった。数多くの銘柄から新商品が選ばれるには、組合員さんの琴線にふれるフックが欠かせない。従来とは別の視点が必要と考えた高桑バイヤーと谷平バイヤーは、部署を超えた協力を求めることに……。「ベジビール開発プロジェクト」最終回は、販売戦略を手がけるバイヤーのインタビューをお届けする。


——キリンビールから、規格外野菜を使ったクラフトビールの企画提案を受けて、どう思いましたか?
高桑 単純にクラフトビールの新商品をリリースしても、すぐに反響が出るとは限りません。そうした中でクラフトビールでフードロス削減に貢献するという今回の提案は、事業を通じてSDGsの目標達成を目指すコープさっぽろの方向性とも親和性が高いと感じました。ただもう一歩、組合員さんの心に響くポイントがほしかった。それで、組合員さんにきちんとコンセプトが伝わるよう、コープさっぽろにゆかりのある生産者さんの野菜を使いたいと思いました。ですが私も谷平もお酒の担当で、産地には詳しくありません。それで野菜のバイヤーに力を借りることにしたんです。
——なるほど。それで吉﨑さんに声がかかったわけですね。それを聞いて吉﨑さんは?
吉﨑 まさか、ビール?って感じで。ビールの原材料に野菜を使うことがあるとは知らなかったので新鮮でしたね。
——なぜ尾藤農産のじゃがいもを採用することにしたのでしょうか?
吉﨑 コープさっぽろでは以前から尾藤さんの雪室熟成じゃがいもを取り扱っており、組合員さんにとても人気があります。このじゃがいもは、高度な生産技術と貯蔵技術があってこそ実現できるもの。そこで、十勝を代表する生産者の一人である尾藤さんにぜひ協力をお願いしたいと考えました。さらに、尾藤さん自身はワイン醸造を手がけており、ビールにも興味を持っていただけるのではと思ってお声がけしたところ、快く賛同してくださいました。流通の関係で、使用するスターチ(でんぷん)の一部に尾藤農産以外の原料も含まれますが、100%十勝産のじゃがいもでんぷんです。


——ベジビールのパッケージデザインは、バイヤーの皆さんの意見を反映していると聞いています。
谷平 はい。まずキリンビールからいくつかデザイン案をいただき、その中から候補を絞り込みました。デザインの選考では、広報部の皆さんにも意見をもらいました。今回の商品は女性をターゲットにしており、広報部には女性が多く、デザインに詳しい方も多いので、考えを聞いてみたかったんです。
——最終的には現在のパッケージと、白を基調としたパッケージに意見が分かれたそうですね。
高桑 はい。白いパッケージも爽やかな印象で良かったのですが、たくさん商品が並んだ中で埋もれないためにはこのパッケージがいいと最終的に判断しました。特に宅配の場合は、カタログの背景色が白なので、白いパッケージは目を引きづらいという理由もあります。
谷平 そうですね。それに、夜明けにも、夕焼けにも見えるこの背景が、十勝の長い冬を想起させ、雪室熟成じゃがいものイメージにもマッチすると考えました。
——なるほど。十勝の冬空をイメージしているんですね。


——発売を前に試飲会も行われました。飲んでみていかがでしたか?
高桑 良い意味で裏切られました。じゃがいもと聞いて少しまったりとした味を想像していたのですが、すっきりとした味わいでちょっと意外でしたね。ホップの香りが華やかに立って、白のスパークリングワインのようなニュアンスもあり、女性好みの味だと思います。試飲会には広報部の皆さんにも参加してもらいましたが、「飲みやすい」と好評でした。
谷平 素直においしいと思いました。料理との相性もいい。試飲会のときにはジャーマンポテトとのペアリングを試しましたが、すごく合いました。比較的、洋食との相性がいいのかなと思います。
吉﨑 北海道産のじゃがいも料理と、ぜひ合わせてほしいですね!
——宅配トドックでは既に注文受付が始まり、店舗でも4月1日に発売を開始します。どんなふうに販売していきますか?
高桑 宅配トドックは4月第1週のmimiyoriに掲載しました。尾藤農産のじゃがいもとともに、ベジビールの価値をお伝えしたいと考え、誌面構成しました。ベジビール単缶のほかに、スプリングバレーとのセットもご用意しました。正直なところ、宅配・店舗ともにクラフトビールの販売にはまだ大きな伸びしろがあると考えています。ベジビールを入口として、一人でも多くの方にクラフトビールを楽しんでいただきたいと願っています。
谷平 店舗としては、できるだけ組合員さんの目に留まるようリカー売場の中でも目立つところに配置して販売する計画です。ベジビールはもちろんですが、既存のクラフトビールも含めて盛り上げていきたいと考えています。クラフトビールは味わいの幅が広いので、ビール好きの方だけではなく、たとえば普段缶酎ハイを飲んでいる方にもきっと喜んでもらえると思います。ベジビールをはじめさまざまなクラフトビールを仲間や家族で飲み比べながら、「これいいね」「こっちの方が好みだな」「あんな料理にも合いそう」といった感じで、会話も含めて楽しんでもらえたらうれしいですね。
——ベジビールをきっかけに、いろんなクラフトビールを試してみたいと思います。皆さん、本日はありがとうございました。